静岡県天竜の山間に建つチョウザメ養殖所のゲストハウスである。大自然の環境を切り取るよう大きな屋根を空間化した。メガホンのように断面方向にも平面方向にも徐々に広がる形状により、外部空間と内部空間の引力をつくりだしている。チョウザメの「蝶のような硬鱗」を模した屋根の形、鱗をイメージした菱葺きの屋根板金などを使い施設のシンボルとなることを目指した。材料はすべて現地の「天龍杉」を使用した。柱材を水平に並べた「垂木」と、徐々に大きくなる三角形の「合掌梁」の取り合いが、平行感覚を錯綜させ拡張性を作っている。大きな屋根はチョウザメの「菱形状の硬鱗」をグラフィックパターンとした「菱葺」としている。
HAL LAB
建築 :奥野公章建築設計室 担当 / 奥野公章、黒子裕一
家具 :848Design 担当 / 橋谷昇
構造 :我伊野構造設計室 担当 / 我伊野威之
外構植栽:RE FACTORY 担当 / 小林純
施工 :中村建設
所在地 :静岡県浜松市天竜区春野町
用途 :ゲストハウス
敷地面積:11,557.00㎡
建築面積: 44.43㎡
延床面積: 60.65㎡ (1階 32.29㎡/2階 28.36㎡(デッキ面積 36.41㎡))
規模 :木造 2階建て
撮影 :小川重雄写真事務所 小川重雄
竣工 :2017年
✳︎受賞_「浜松ウッドコレクション2017」優秀賞
✳︎掲載_「JIA建築年鑑2020-2021」