建築 担当/奥野公章 飯島明
内装家具(一部) 848Design 担当/橋谷昇
構造 ニエダ+ヒサエダアーキテクツ 担当/贄田泰然 吉田光義 小松泰造
設備 ZO設計室 担当/柿沼整三 伊藤教子 浦田和美
施工 株式会社早野組 担当/保坂宏幸
所在地 山梨県甲府市
用途 戸建住宅
敷地面積 1300.9㎡
建築面積 194.19㎡
延床面積 176.16㎡
規模 母屋:木造平屋建 EV棟:木造2階建
撮影 牛尾幹太
竣工 2016年
敷地は甲府盆地を一望する山の中腹にある分譲地。90区画の最上段の2区画分をつかっての計画であった。
東向き斜面地で、3mの擁壁の上部に敷地があり、最大傾斜は30°の土地であった。
施主は東京で会社を経営していたが、早期リタイアをした夫婦。75歳近くになったら高齢者施設に入る予定をもっており、それまでの15年をふるさとの山梨でゆっくり楽しく過ごすための住まいを望まれた。
60代からの夫婦の住まいという事で、バリアフリーを考慮し「平屋」での計画とした。
傾斜30°の斜面地で平屋を成立させるために、建物の半分を地面の上にのせ、半分は空中に飛び出す形となっている。
平面計画は掌を広げたような形状とし、接地する中心部を「中庭」、そこから「指」のように5方向に広がるスペースを、甲府盆地の景色を違った角度でみることが出来る居室とした。
それぞれの居室は景色に向かう軸にそって高さの異なる筒状のボリュームとし、プランの回遊性にそって繋げることで、パノラマに展開する景色の見え方もつくっている。
発散と回遊をテーマとした住宅である。
構造的には基礎部(掌形状のスラブ)をRCで造り、その上は木造の4号建築で計画した。
跳ね出したスラブは鉄骨柱にて軸力のみ支え、接地する部分をアンカーのように考え地震力を負担している。
エレベーター部分も同様で、ブリッジは鉄骨造にて計画した。