荻窪ロウハウス


「庭付き1戸建て」の7軒長屋
旗竿敷地に建つ7軒長屋のコーポラティブハウスである。建蔽率50%の住宅地で、周辺には緑が程よく残る木造2階建ての「庭付き1戸建て」がひしめく地域であった。この場所に7戸の共同住宅を計画するにあたり、周辺に広がる街並みに協調する中密度な環境をもった建物を造ろうと考えた。建物はメゾネットを基本とした7つのボリュームを凸凹に組み合わせ、出来上がった隙間に植物を植え、7軒とも「庭=ニワ」付き1戸建てのプランで構成した。ニワは各住戸に空間の広がりと、快適な環境をもたらすとともに、隣家と適度な距離をとりつつも、街中と同じように長屋の中での「庭続き」の関係を作り出し、コミュニティーを活性化させる場となる。隙間は長屋通路から続く通路にもなっており、山岳都市のような豊かで立体的な路地空間も形成している。植物と建物が一体となり周辺の環境と協調しつつ、人と人を繋げていく長屋である。


荻窪ロウハウス

建築  :奥野公章建築設計室 担当 / 奥野公章、田井昭裕
設計協力:コバヤシ401.Design room 担当 / 小林進一、白砂孝洋建築設計事務所 担当 / 白砂孝洋
構造  :TIS&PARTNERS 担当 / 川村大樹
設備  :長谷川設備計画 担当 / 長谷川博
施工  :TH-1

所在地 :東京都杉並区
主要用途:長屋
敷地面積:474.55㎡
建築面積:256.78㎡
延床面積:550.95㎡
規模  :RC造
撮影  :牛尾幹太
撮影  :鈴木研一写真事務所 鈴木研一 (1,2,5,10,11,12,16,19,20,21,23枚目)
竣工  :2015年


✳︎掲載_「日本建築学会作品選集2018」