「7つの屋根が織なす空間」 標高1000m、大自然の広がる小淵沢に立つリタイアを目前とした夫婦の為のすまいである。施主の希望するプログラムから、建物を「楽の棟」「様の棟」「実の棟」と駐車場の4つのボリューム分類し、敷地に広がる既存樹をよけつつ、廻りの景色に対しながら敷地の高低差にそって配置した。この4つのボリュームに半屋外の庇を含めた7つの屋根を掛け、夫婦の生活のスケールにあった様々な空間をつくることをテーマとしている。住居部分は趣味の部屋となる「楽の棟」を中心に、東にリビング・ダイニングや接客スペースなどに用いる「様の棟」、西にプライベートスペースとなる「実の棟」で構成される。中心となる「楽の棟」は縦導線を絡め縦に景色をきり取る空間としてデザインしている。「様の棟」では、夫婦二人のスケールにあった空間を目指し、造付けのソファーを中心に、キッチンダイニングをコンパクトにプランニングした。外部空間では外への連続性を促し、周辺の景色との同調を考え、軒先は1.2m~1.5mの跳ね出しとした。登り梁で剛床を取った上で、通気を兼ねた105mmの垂木で構成した。
小淵沢の家
建築 :奥野公章建築設計室 担当 / 奥野公章、小柳綾 構造 :我伊野構造設計室 担当 / 我伊野威之 施工 :鈴建
所在地 :山梨県北杜市小淵沢 主要用途:専用住宅 敷地面積:946.70㎡ 建築面積:128.67㎡ 延床面積:148.94㎡ (1階 110.11㎡ / 2階 38.83㎡) 規模 :木造 2階建て 撮影 :牛尾幹太 竣工 :2015年